不動産業の開業とオーナー向け空室対策|生活保護受給者のメリット

今回はこれから個人で不動産仲介会社を作ろうと考えている方や賃貸オーナー向けに、生活保護受給者を入居させることのメリットとデメリットについて書いてみたいと思います。また、私の不動産営業の経験から生活保護受給者を入居させたことによるトラブル事例についてお話ししたいと思います。


生活保護受給者マーケティング


日本の消費税が8%から10%に変わることで間接的ではございますが、生活困難な人が増えることは・・・おそらく間違いはないのではないだろうか。そして、これからより生活保護受給者が増えるというのにそれに適した社会環境はまだまだ整備されていないが現実です。また、民間の企業で、生活保護受給者をターゲットにビジネス展開をしている会社もまだまだ多くはないのです。

私は以前、札幌で生活保護受給者向けに賃貸のお仕事をいたしました。自らホームページを作り、自ら幾つかの企業に営業をいたしました。現在は、海外で生活をするという夢を捨て切れませんでしたので生活保護受給者向けのビジネスはしていませんが、その時に多くの生活保護受給者からお問い合わせをいただきました。

というのも、大阪に続いて生活保護受給者の数が多い札幌で生活保護受給者専門に不動産賃貸業をしている方がいなかったからです。(現在もおそらくいません。)生活保護受給者がたくさんいて、多くの方がお部屋探しを希望しているのに、それを専門に行っている人がいないのです。ビジネスチャンスは身近なところにあるのに、誰も気づいていないのです・・・。

今回は、そんな生活保護受給者に対して行うサービスのメリットやデメリットについて書いてみたいと思います。

生活保護受給者にお部屋を貸すメリット

生活保護受給者にお部屋を貸すことのメリットは、生活保護受給者は毎月決まった金額の補助金を受け取っていますので、特別な問題が起きない限り家賃の支払いが滞ることがありません。また、生活保護受給者は一生そこに住もう!と考えて引越しをするという人が多いようです。というのも、生活保護受給者の方の引越しにはいろいろと複雑な手続きがあり、自分の一存では簡単に引越しが出来ないからです。そのため、一度引越しをすると10年・20年と住むのが一般的なのです。

このことから、例えば不動産オーナーであれば安定的に家賃収入を得ることができるのです。仲介業者の方も、一般の方と同じく仲介手数料を受け取ることができますし、何より積極的に生活保護受給者向けにお部屋を仲介している業者がいませんので、ビジネスとしては大いに期待できる分野になります。

生活保護受給者にお部屋を貸すデメリット

生活保護受給者にお部屋を貸しだすことのデメリットとしては、生活保護に関する法律が変わったり、生活保護受給者の生活環境の変化によって突然補助が受けられなくなった・・・と言うことがあるのです。この場合、家賃の回収が一気に難しくなるということです。さらに、生活保護受給というのは個人ではなく世帯で審査されることから、身近にお金持ちがいる・・・お金が払えなくなった時に変わりに家賃を払ってくれる人がいる!!!ということはほぼないのです。また日本の法律上、家賃の滞納が発生した時にすぐに出て行け!というのは難しいため数ヶ月はそこに住まわせなければならないのです。つまり、生活保護受給者が生活保護受給者ではなくなった時、収入がなく周りに頼れる人もいない人を住まわせているということになるのです。

仲介業者の観点からデメリットをいうと、管理会社からなかなか入居の許可がもらえません。私が生活保護受給者のお部屋探しをしていた時は、”この人は収入がないから無理ですね!”と、よく言われました。収入がないから生活保護を受けてるんだろ!!と、言いたくなりましたが管理会社もトラブルはできるだけ避けたいようで、特段空室率が50パーセント以上ある!というようなことがない限り拒否されてしまいます。

上記は生活保護受給者にお部屋を貸すことのデメリットではございませんが、生活保護受給者をターゲットにしたお仕事は結構辛いものがあります。


生活保護受給者とのトラブル


私が経験した生活保護受給者に関するトラブルについてお話ししたいと思います。

私が不動産仲介のお仕事をしていた時に最も多くのお問い合わせをいただいたのが・・・シングルマザー(母子家庭)からでした。中でも、生活保護を受けている母子家庭の方からのお問い合わせがたくさん来ました。なぜなら、生活保護を受けている母子家庭の方は一般の仲介業者からお部屋を探すのが・・・最も難しいからです。

なぜかというと・・・最もトラブルが多いからです。

生活保護の男女間のトラブル

生活保護を受けているシングルマザーは・・・若いため、周りに男の影がある場合が多々ございます。シングルマザーが恋愛をしてはいけないわけではございませんが、例えば相手の男性が女性の家に転がり込んでしまったりすると・・・生活保護を受けられなくなる可能性も出てくるのです。なぜかというと・・・生活保護というのは生活を共にしている人も生活保護の審査の対象になるからです。そして、その相手の方がきちんとお仕事をしている場合は・・・生活保護が受けられなくなる可能性があるのです。

もちろん、その男性がきちんとした人なら何も問題にはなりませんが、生活保護が受けられなくなったあとに別れたりしてしまうと家賃を支払って行けない・・・ということにもなりかねないのです。

事実お金目的で生活保護を受けている女性と付き合っている男性も実際にいるようでした。生活保護が一度取り消しになってしまうと、すぐに再審査して受給が開始されるほど甘い世の中ではございませんので、なかなか大変です。


著者の考える不動産仲介と不動産経営


不動産仲介業として生活保護受給者をターゲットに集客やサービス展開をするというのはそこまで悪いビシネスではないと思います。ただし、生活保護受給者に対する管理会社の対応はまだまだ厳しいため、成約までにかなり苦労が必要になります。と言っても、生活保護受給者相手ではなく、一般の人でも100%成約に結びつけるのは難しいため、生活保護受給者のお部屋探しが特別難しいというわけではございません。

不動産オーナー視点でいうと、生活保護受給者は長期間安定して家賃を支払い続けてくれますので、その点で言えば収益の見通しがつけやすいと言えます。ただし、シングルマザーなど年齢の若い生活保護受給者の場合、家賃の支払いや男女間のトラブルが起きやすく、もし入居している生活保護受給者が生活保護を受けられなくなってしまうとほぼ泣き寝入りの形でお部屋を貸し続けなければなりません。

ただし、入居審査を念入りに入居希望者を見極めることができれば、そこまで悪くはなく・・・と言うよりもむしろ積極的に入居させた方がメリットがあると思います。

ぜひ、生活保護受給者にお部屋を探す人も提供する人も今一度”生活保護”について考えてみると良いでしょう。