【訳あり&いわくつき物件】賃借人に対する自殺物件の法的告知義務


訳あり・いわく付き物件の見極め


皆さんは訳あり・いわく付き物件を見たり遭遇したことがあるでしょうか。ほとんどの人は、遭遇した事がないか遭遇している事に気づいていないかです。訳あり・いわく付き物件は、実は不動産仲介業者でも知らないケースがたくさんございます。そもそも、皆さんが思っていらっしゃる訳あり・いわく付き物件とはどのような物件なのでしょうか?訳あり・いわく付き物件とは、一般的には自殺物件のことを指しますが、例えば病死・孤独死でアパート・マンションの住人が無くなった場合は、訳あり物件・いわく付き物件にはならないのでしょうか。答えは明確で、訳ありとは言いません。なぜなら、人は死ぬからです。札幌市の統計では年間15,000人以上の人が亡くなっています。もちろん、病死や事故死・自殺とお亡くなりになる要因は様々です。この中で賃貸住宅でお亡くなりになった人も中には当然います。病死の方も自殺の方もいると思いますが、もしその全てが訳あり扱いになってしまうと、札幌市に限らずアパート・マンションを借りることが出来なくなってしまいます。(物件が無くなってしまいます。)

日本人は人が亡くなったお部屋には住みたがらない傾向にありますが、海外の人はあまり気にしない人もいます。自殺物件以外のお部屋は、実はオーナー様や管理会社様から”この物件の前の住人は、病気で亡くなっているため入居案内のときは注意して下さい!”と言う説明を受ける事はございません。不動産仲介業者は基本的には、前の住人がどのような人なのかと言う事は知りません。つまり、退去理由も分からないのです。退去理由が分からなければ、お仕事の関係や学生の方が大学を卒業した事によって退去したのか、はたまた人が亡くなったためお部屋が空き状態になっているのか見当もつかないのです。下見を行っている物件で人が亡くなっている事もございます。でも、その事を知っている人は実はほんの一握りの人なのです。


〜自殺物件の告知義務〜


自殺物件は事件発生後、何年経過すると賃借人(お部屋を借りる人)への告知義務が法的に免れるのでしょうか。告知義務期間は事件の発生場所・様態・死者の数や近隣の周知性の高低などの事情を考慮し、総合的に判断されます。そのため、6年経過しただけでは瑕疵があったと認定された判例もあれば、7年では瑕疵がないと判断されたケースもあります。たった1年間で、告知義務の必要があるのか無いのかが変わったりします。上記の裁判事例の判決(結果)を踏まえると、事件発生後、10年くらいは賃借人への告知が必要になるでしょう。

ただし、上記で争われている事件は自殺や殺人などのケースなのです。そのため、お部屋でお年寄りが病死したと言うケースでは告知義務の必要が無いようにとらえる事が出来るかもしれません。病気で前住人が亡くなったと伝える事は、ある意味不動産オーナー様にとっては不利益になる情報になります。住人のプライバシーとして、お客様に伝える事無く処理しても良いケースであるとも言えます。そもそも、不動産仲介業者は病死で人が亡くなっている事を知りませんので、伝えようがございません。ただし、もし特別な事情がある事を知っている場合は、お客様に伝えても良いのではないのかなと思います。

上記のように法的な告知義務の期間は存在しますが、モラルとして一般的周知の告知義務を不動産会社は自らに課して仕事をして欲しいと思います。もちろん、前に住んでいた人の個人情報云々と言うことではなく、常識の範囲内での説明は取引上必要な事なのではないかと思います。


告知義務によるトラブル


お客様が自殺物件だと知らずにお部屋を借りてしまった場合、仲介業者に責任追及ができる可能性が大いにございます。仲介業者だけではなく管理会社も同様に責任が科せられます。しかし、一度引っ越しをしてしまうと次の引っ越し費用を誰が負担するのかという問題が起ります。当然、責任のある不動産会社(仲介業者と管理会社)が負担をするのですが、その費用をいつ支払ってもらえるのかという事も実は重要になります。もし立て替えが必要であるならば、引っ越しをしたばかりでお金がないのにさらに引っ越しをしなければならないと言う事になります。これは、金銭的な問題だけではなく時間的・精神的に酷なことだと思います。不動産会社と争うと言う事は、負担がとても大きいという事です。出来ることなら始めから避けてください。

札幌市には自殺物件・訳あり物件を集めたmap(ホームページ)がございますので、そちらで確認してみて下さい。引っ越しを希望していない人にはあまりおすすめしないサイトではあります。なぜなら、もしそのサイトに自分のお部屋が自殺物件として掲載されていたら怖いからです。興味のある方だけ見ると良いと思います。